4月20日から26日まで、中国知的財産宣伝週間の最も重要な活動の1つとして、最高人民法院は、4月21日の午後に、毎年最も注目される法院の典型的な案例である「2019年中国法院の知的財産案件トップ10」を発表した。そのうち、隆天知識産権傘下の隆諾律師事務所が代理した「Balanced Body Inc.とYongkang Elina Sports Equipment Co., Ltd.との商標権侵害紛争案件」は、知的財産の侵害賠償的基準の典型的な案例として光栄的に入選された。
今回選択された案件は、地方高級人民法院から推奨され、2019年最高人民法院で審理した知的財産案件に照らして慎重に選択されたものであり、法律の適用で典型的な意義を有するだけでなく、社会で広く懸念している問題についてもタイムリーに対応して、法律効果と社会効果の統一を体現した。
【案件の概要】
Balanced Body Inc.は、フィットネスなどの商品での使用を承認された「MOTR」商標(つまり、係争商標)の登録者で、スポーツ機器の生産や販売に従事する世界的に有名なメーカーであり、中国で多くの特許と登録商標を持っている。Yongkang Elina Sports Equipment Co., Ltd.(Yongkang Elina社と略す)はある展覧会で係争商標を使用したフィットネスを売り込みし、WeChatモールなどさまざまな方法によって実際の販売を行った。Balanced Body Inc.は、商標権侵害を理由にYongkang Elina社に対して訴訟を提起し、懲罰的賠償の適用を主張した。法院の調査によって、この訴訟された侵害行為が発生する前にも、Yongkang Elina社がBalanced Body Inc.の知的財産権を侵害したことがあり、Balanced Body Inc.が警告状を送った後、双方は和解契約を締結し、Yongkang Elina社は侵害活動を行わないことを明確に約束したことが発見された。したがって、上海市浦東新区人民法院は、Yongkang Elina社に侵害行為の停止を命じ、侵害の繰り返しを考慮して3倍の懲罰的賠償基準を適用し、Yongkang Elina社が300万人民元の賠償責任を負うことを判決した。判決後、双方はどちらも上訴しなかった。
【典型的な意義】
この案件は、知的財産侵害の懲罰的賠償基準を適用する典型的な案例であり、繰り返し侵害や継続的な侵害などの悪意の侵害行為を厳しく取り締り、侵害の処罰を強化するという人民法院の確固たる自信を体現している。人民法院は、被告が約束を守らず、他人の知的財産権を無視する行為は誠実信用原則の違反であり、悪意のある侵害が非常に深刻だと判決で明確に述べた。商標権者の正当な権利と利益を保護し、侵害行為を厳しく懲罰して、市場秩序を維持するために、権利者の訴訟請求を全額支持するものとした。この判決後、社会の各業界から高く評価され、『法制日報』はトップページの目立つ位置で、「貿易戦争を背景とした中国の「大国担当」の体現」というテーマで文章を掲載し、この判決は、知的財産の侵害や犯罪に対抗するという中国の決意、及び、良好なビジネス環境を構築する上での中国の大国の自信を体現している。
詳細については下のリンクをご参照ください。
http://www.lungtin.com/UpLoadFile/Files/2020/4/29/112537885dd9e747b-4.pdf