中国共産党中央委員会、国務院はこのほど「知的財産権強国建設綱要(2021-2035年)」を通達し、知財権強国建設を統一的に推進し、知財権の創造、運用、保護、管理、サービスレベルを全面的に向上させ、社会主義現代化建設における知財権制度の重要な役割を十分に発揮させることについての詳細な計画を打ち出した。人民日報海外版が伝えた。
国家知的財産権局(知財局)の申長雨局長は、「この綱要は知財権強国建設の次の6つの重点任務を明らかにした。(1)社会主義現代化に向けた知財権制度の構築(2)世界トップレベルのビジネス環境をサポートする知財権保護体制の構築(3)イノベーションの発展を奨励する知財権市場運営メカニズムの構築(4)国民に便宜と利益をもたらす知財権公共サービス体制の構築(5)知財権の質の高い発展を促進する人的・文化的・社会的環境の構築(6)グローバル知財権ガバナンスへの深いレベルの参加」と説明した。
同綱要は新興分野と特定分野における知財権ルール体制について、「新技術、新産業、新業態、新スタイルの知財権保護ルールなどの措置を構築・整備する」と打ち出した。また同綱要はイノベーション発展の刺激において力を入れる方向性として、「特許集約型産業の育成を強化し、特許集約型産業の調査メカニズムを構築する」ことを明確にした。
同綱要は知財権強国建設について、次の具体的な目標を明確にした。2025年をめどに、知財権強国建設が明らかな成果を上げる。知財権保護がより厳格にし、社会の満足度が高い水準に到達しこれを維持する。知財権の市場価値がさらに顕在化し、ブランドの競争力が大幅に向上し、特許集約型産業の付加価値額が国内総生産(GDP)に占める割合が13%に達し、著作権産業の付加価値の対GDP比が7.5%に達する。知財権使用料の年間輸出入総額が3500億元(約6兆1428億円)に達し、人口1万人あたりの高付加価値の発明特許保有件数が12件になることを目指すという。
中国社会科学院工業経済研究所の周民良研究員は、「知財権保護はイノベーションのレベルをはかる重要な指標であり、知財権強国はさらにイノベーション強国の力強い支えになる。中国がこの綱要を打ち出したことは、イノベーションへの一層の保護と奨励にプラスであり、中国経済が質の高い発展を実現する上で非常に積極的な意義がある」と述べた。