世界知的所有権機関(WIPO)がこのほど発表した年次報告書「世界知的財産指標」によると、2020年には中国が特許、商標、実用新案など各方面で知的財産権の出願件数が世界一になり、イノベーション(革新)の力強い活力を示したという。人民日報が伝えた。
同報告書によれば、中国は今や世界で特許に関わる動きが最も活発な国だ。国家知識産権局(知財局)が昨年に受理した特許出願は150万件で世界1位となり、2位の米国の3.5倍以上だった。以下、日本、韓国、欧州連合(EU)が続いた。また中国は分類ごとに統計をまとめた商標の出願件数も約930万件で世界1位となり、以下、米国、イラン、EU、インドが続いた。
WIPOのダレン・タン事務局長は、「中国は知財権の保護とイノベーションを非常に重視しており、今年9月に発表された『2021年グローバルイノベーション指数報告』によれば、中国はイノベーション分野の世界ランキングが2013年の35位から12位に上昇し、中所得のエコノミーの中で最も順位が高かった。知財権の質と効率が日に日に上昇するにつれて、中国のイノベーション能力はますます世界に注目されるようになった」と述べた。
同報告書は、「中国をはじめとする国と地域の特許出願件数が安定的に増加したことから、アジア地域の関連の出願件数が世界に占める割合も大幅に上昇した。アジアの各関連部門が2020年に受理した特許出願件数は世界の66.6%を占め、この割合は2010年の51.5%から著しく上昇した。アジア地域の商標の出願件数は世界の71.8%を占め、こちらも2010年の41.3%に比べて大幅に上昇した」と強調した。
また同報告書は、「中国が保有する有効特許数は310万件に達して世界2位となり、2019年から14.5%増加し、2020年に有効特許数の増加ペースが最も速い国になった」と伝えた。